読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

読むとクスッと笑える美容師出口寛之のブログ

Itami / HYOGO salon RUN assistant✂︎ 電話予約はこちら↪︎ [072-784-3357] カラーモデル&スパモデル募集 予約用LINEはこちら↪︎ [rox7366w]

掌編小説6th[手帳]

f:id:hosikuzu0525:20161130143700j:image

私は社会人になってから、自己管理ができていない最低のクズ野郎と言われてきました。

ですが、そんな自分とも今日でおさらばです!
 

 

じゃじゃーん! 遂に手帳を買いました! 

私いっつもカレンダー買わなくて今が何日かもわかっていなかったので、本当に便利です! 

 

これで自己管理しちゃうぞ!
 

よし、まずは予定を書き込んでみよう! 

 

そうだなー最初に友達と遊びに行く予定!
 

 

日曜日は美奈子と映画で、その次の日曜日がみんなと飲み会でしょ? 

 

で、仕事終わりの水曜日に今一番気になってる男の子との食事会! 

ふふ! 

 

こうやって書き出してみると、なんだか楽しくなってきちゃう!
 

 

そして次に一人ご飯の予定! 

 

まあほぼ毎日外食するから、どこに行くかを書き込むだけなんだけどね! 

 

牛丼、パスタ、焼き肉、鍋、コンビニ、カップラーメン、ハンバーガー、ファーストフード。

 

 

いろいろ食べたいものがあるから、給料日だけおいしいもの食べちゃおうかな! 

 

高級中華とか! 私辛いもの好きなんだよね!
 

 

そして、一番嫌な仕事の予定。

 

あ、いっぱい先に書いちゃったから、書くところが小さくなっちゃった。

 

まあいいか、かけたら大丈夫だし。
 

 

仕事ってなんでしなくちゃならないんだろう? 

わかんない。

 

早く結婚して専業主婦になりたいな。

 

だって働かなくてもいいから。

 

毎日テレビを見て、ご飯食べて、旦那の帰りを待つ。

 

そして毎日ラブラブ! 

 

ああ、あの人とそんな風に過ごせたらどんなに幸せなんだろう!

 

「ただいま。かえって早々、君の瞳に吸い込まれそうだよ」
 

 

とか言って抱きしめてほしいな! お風呂入るときも

 

「もう、脱ぎっぱなしにして!」
 

 

とか言いつつもその人のものすべてを洗濯機に放りこみたいな! 

 

いや、その前にあの人の汗のにおいをたっぷりと堪能してから保存するのもありかも。ふふ。
 

 

 

妄想が広がってとまらない! 

 

ああ、早くあの日が来てくれないかなー!
 

 

手帳に書き込んで妄想を広げている私に次の週、悪夢が降り注ぎます。

 

 

「おい! 何時間遅刻だと思ってるんだ!」

 

「ふぇ? ちゃんと16時に来ましたけど?」
 

 

上司が、時間通りに来た私を頭に血管を浮かせつつ怒る。

 

これってあれかな? 

 

ゆとり世代とそれ以外のひずみってやつ?

 

「何を言っているんだお前は! 集合は10時だと言っただろうが!」
 

 

え? そうだったっけ? 

 

私は最近記入し始めた手帳に目を通す。

 

確かに16時と書いている、のか? 

 

よく目を凝らしてみると、10時に集合としっかりと書いてあった。

 

ていうか私、午後は午後って書いてから書くから勘違いなんてするはずないのに! 

 

もう、自分のバカ!

 

 

「俺を6時間も待たせやがって! さあ行くぞ!」

 

「仕事ですよね。大丈夫なんですか?」
 

 

そう、私はいつもの仕事着で来いとこの上司に言われていた。

 

ということは仕事。

 

取引先を待たせていたら私のせい! 

どうしよう!
 

 

でも、次の上司の発言に人生で最高に引く。

 

「わしとご飯だ。親睦を深めるためのな!」

 

「あ、大丈夫です」
 

 

親指をぐっと挙げて笑顔な私のことを6時間待っていた上司に吐き気がし、一瞬でその場から逃げるように去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその翌日の水曜日。

 

「ごめん、待った?」
 

 

待ってないよーと元気に返事をして、今気になっている彼との楽しみだった食事会!

 

ついた場所は高級レストラン! 

わかってる! さすがイケメン!
 

 

先に予約をしておいてくれたのもイケメン! 
 

 

料理はコース形式らしく、出てくるまでに時間がかかった。

 

 

「この間はごめんな」
 

 

なに? 何のこと? と問うと、彼は気まずそうな表情を浮かべる。

どうしたんだろう。
 

 

そんなに怒ってないよ! 

 

ととりあえずいうと、彼は少し顔を明るくしてこう言い放った。

 

 

「よかった。先日父が朝の10時に君をご飯に誘ったらしいんだけど、来なくて待っていたら君が来て、舞い上がってきざなセリフを吐いたら逃げられたって。それで怒ってるかもしれないから謝っといてくれって言われたんだ」

 

 

「あ、大丈夫です。帰ります」
 

 

 

私は料理には一切目もくれず、その場を後にした。
 

 

 

 

手帳に書く内容は、明確に且つわかりやすく、内容も示しておくべきだとこの時私は思った。