読むとクスッと笑える美容師出口寛之のブログ

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掌編小説5th[三分クッキング]

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「よし、今日は暇だから動画でもとろうかな」
 

 

僕は今日超絶に退屈していた。

 

本当は友達と遊ぶ約束をしていたのだが、

「ごめん、急用ができて」

「ごめん、急用ができて」

「ごめん、急用ができて」
 

 

と、三人とも奇跡的に同じ断り文句で断られた。

絶対にこの三人はグルだから今度とっちめてやろう。
 

 

そんなことを思いながら、僕はどんなどうがにするかな悩む。
 

 

コーラを飲み干してみた。いや、面白くない。

 

歩いてみた。歩きたくない。

 

何もしないで面白い動画。あれだ!
 

 

 

僕はあの料理番組にのっとって、軽い動画を作成することにした。

 

 

その名も「僕の三分クッキング」
 

 

 

例の三分クッキングをまねてやってみようと思う。

 

 

「さあ始まりました。僕の三分クッキング。用意するものはこちらです!」
 

 

そうして僕が用意したものは、みんなが大好きカップラーメン。

 

 

「こちらにお湯を注いでいきますねー」
 

 

 

そして注ごうとしたとき、僕は気づいてしまった。

 

お湯がないことに。
 

 

まずい! 

このままでは三分では収まらなくなってしまう! 

今から鍋で高速でお湯を沸かしたとしても2分はかかる。

そこから三分またなくてはならないカップ麺なのに動画に収まりきらない!
 

 

いや待てよ。

某番組でも実際は10分の枠で番組枠がとられているじゃないか。

しかも料理のスピードを実際に計ってみると6分はかかっている。

実質三分ではない!
 

 

いや。これもありなのか? 

 

なんか友達の佐藤君が言っていたような気がする。

 

「カップラーメンを三分待つ奴は素人。30秒が通だね」と。
 

 

佐藤君はどこにでもいる普通の中学生、いや、見た目からは想像することもできない奇怪な動きをする彼に、どこにでもいるとかいうありきたりな言葉を当てはめてはいけないのかもしれない。
 

 

この理論が通じるならば、2分でお湯を沸かして5秒で入れ、30秒待てば完成したところまでをあたかも三分待ったかのようにして表現することができる。
 

 

よし、これで行こう! 
 

 

ぴぴ。
 

 

ここで何かの終わりを知らせる音がなく。

 

僕はそれが三分立ちましたの合図だと気づくのに少し時間を要した。
 

 

僕は急いで画面を確認する。

 

確かに三分立っていた。
 

 

 

おかしい! フィクションの世界では今僕が考えていたことがすべて一コマで収まるから、時間軸的には一秒もたっていないはずだ!
 

 

 

とか現実逃避をしてみたが、やっぱり時間は三分立っていた。

 

これは事実だった。
 

 

 

現実は僕たち人間に厳しかった。
 

 

僕はゆっくりとお湯を沸かし、きっちり三分待ち、面をすすった。